パリの空の下で   Sous le ciel de Paris

  卒業・入学といえば、春の枕詞のようなものですね。ところで、春といえば「夢」が連想されるのですが、今は若い人たちが夢を見られる状況ではないようです。この夢のなさは、やる気のなさにも繋っていて、学力低下の一因にもなっていると思われます。
  夢といえば、私の両親の世代は「東京」に夢と憧れを抱いていたようですが、今の東京は果たして夢のある都会でしょうか。日本の都市が殆ど均質化したのが原因かもしれませんが、東京を夢見るなどというのは歌の世界でもなくなってしまいました。ヤクルト・スワローズの応援団が神宮球場で傘を上下させながら「東京音頭」を歌うものくらいしか耳にしなくなりました。

  日本人とは対照的に、フランス人はパリに夢や誇りをもっているようです。パリのことを歌ったシャンソンは数多くあります。自国の首都に夢と誇りをもっているフランス人と、何も感じなくなっている日本人――これは悲しい現実ではないでしょうか。
  第1回目は、「パリの空の下で」(Sous le ciel de Paris)という曲を取り上げてみます。メロディーは有名なので、皆様耳にされたことがお有りと思われます。

 Sous le ciel de Paris   
 パリの空の下で   
 S'envole une chanson
 歌が流れる
 
 
 hum hum
 〜 〜
 Elle est née d'aujourd'hui   
 それは若者の心に   
 Dans le cœur d'un garçon
 今日生まれた歌だ
   …………………………………
 Sous le pont de Bercy   
 ベルシーの橋の下では   
 Un philosophe assis
 1人の哲学者が座り
 Deux musiciens,   
 2人のミュージシャンと、   
 quelques badauds
 いく人かの見物客がいて
 Puis les gens par milliers   
 そして何千という人々が   
 
 
 Sous le ciel de Paris   
 パリの空の下では   
 Jusqu'au soir vont chanter
 暗くなるまで歌いにやってくる
 
 
 hum hum
 〜 〜

  そういえば、日本にも昔は「歌声喫茶」なるものがあったんですよね。小生はその世代ではありませんが。
  2004/04

  この10年の間に、日本でも自国への誇りが出来上がったようですが、排外主義的で偏狭な妙な誇りになってしまったようです。 ネトウヨに代表されるような人たちは、本当の意味での郷土愛をもってはいないように思われます。
  他方、パリジャンたちは多様性を受け入れていて、例えばセーヌ川クルーズのこの舟では、フランス語に加えて英語とスペイン語の3カ国語でガイドが行われています。
  2014/12

  Sous le ciel de Paris

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