力の合成とベクトル
(中学生・高校生)

  高校の数学では、「ベクトル」(vector)という項目を学習する。数学では高校で初めて登場するのであるが、実は中学の理科の時間にその基礎を学習している。

力の合成



  


  左の図において、力OAと力OBの合力を作図によって求めてみる。

  求め方は簡単であり、左下図のように平行四辺形AOBCを完成させて、OからCへ対角線となる矢印線分を引けば出来上がりである。

ベクトルの加法



  


  平行四辺形の対辺は、長さが等しく、平行の位置にあるので、左の図のように:
OB=AC、OB//AC である。

  よって、左下図の下の式に示した関係が成り立つ。かくして、ベクトルの和を求めることができる。

ベクトルの減法


  


  

  

  

  


  ところで、直前の式は、通常の方程式と同様に「移項」の方法を用いて変形することができる。すると、ベクトルの差を求める式に変形できる。
  つまり、点Aから点Cへ矢印線分を引けば、それがベクトルOCとOAの差になる。

  では、任意の図形においては、ベクトルの差を表す矢印線分はどのように引くことができるであろうか。
  左の図で考えてみよう。この図においてOAとOBのベクトルの差を求めるには、次のように考えると分かりやすい。

  まず、下の図のような平行四辺形を描けば、矢印線分AOとACの対角線ABがベクトルの和になる。

  次に、AC=OB、AC//OB から、@の式をAのように書き換えることができる。
  ところが、図においては矢印線分はAOではなく、OAなので、Bのように書き換える。

  かくして、OAとOBのベクトルの差は、左下の式で表すことができる。

基本をしっかり理解しましょう