ベクトルの成分と大きさ
(高校生)

  「ベクトル」(vector)は、大きさと方向を同時に表すものである。大きさは矢印の長さで、方向は矢印の向きで表す。

 ベクトルの大きさとは


  


  左の図において、ベクトルOAの大きさを1とすると、ベクトルOBの大きさは、それがOAの3倍あるならば、3になる。
  図が正確なものならば、定規を用いてそれぞれ長さを測った後に両者の長さを比較すれば、ベクトルOBの大きさは求められる。

 ベクトルの成分


  


  ベクトルの成分は、ベクトルOAにおいて点Aのx座標をa1y座標をa2とする。
  Oが原点(0,0)、点Aが(5,-3)であるベクトルOAの成分は、(5,-3)と表される。

 ベクトルの大きさ


  


  今度はベクトルの大きさを考えてみる。
  左の図のように縦方向の矢印線分を平行移動させると、三平方の定理が使える直角三角形ができあがる。

  ところで、ベクトルOAとその逆ベクトルAOは、大きさの等しいベクトルである。OAをベクトルaとすると、AOは−ベクトルaである。だが、ベクトルの大きさ自体は同じである。
  (ベクトルの大きさは矢印線分の長さによって決まる。物理学の法則では、同じ一点に大きさの等しい反対方向の力が作用するとき、その力は均衡する。)

  したがって、ベクトルの大きさは、左の式で求められる。

 原点から出発しないベクトルの成分


  


  点Aを(-1,2)、点Bを(4,-1)とすると、ベクトルABの成分は、やはり(5,-3)になる。つまり、成分a1が5、成分a2が-3なのである。

  このベクトルの成分を一般式を用いて求めると、左のようになる。

 原点から出発しないベクトルの大きさ


  


  今度はベクトルの大きさを考えてみる。

  点Aを(-1,2)、点Bを(4,-1)とするとき、ベクトルABの大きさを一般式を用いて求めると、左のようになる。

成分は(a1,a2)、大きさは線分の長さになります。