詩人の魂  (L’âme des poêtes)
Paroles et Musique: Charles Trnet
1951

  今回は、シャルル・トレネ (Charles Trenet) が作詞・作曲して歌った「詩人の魂」L’âme des poêtes という曲を取り上げてみます。
  「詩人たちがいなくなったずっとあとで」という始まりに、何か郷愁めいた思いが感じられます。 小生も若い人たちの歌には (例外を除いて) 魅力を感じない年齢になりました。歌い継がれている懐かしい歌にこそ魅力を感じる年齢になってしまったのです。

  ところで、「なくなる」といえば、談話室<滝沢>が平成17年3月末で全店閉店してしまいました。やはり、時代は低コスト経営の方向へ流れて行かざるを得ないのでしょう。
  滝沢のウェイトレスは、嘗ては全寮制でお茶やお花に書道まで習っていたそうです。そこに経営者の方の美学を感じます。 あの接客には、経営者の「魂」が込められていたのですね。

 Longtemps, longtemps, longtemps    詩人たちがいなくなった
 Après que les poètes ont disparu    ずっとずっとずっと後で
 Leurs chansons courent encore dans les rues    彼らの歌がまた街に流行る
 La foule les chante un peu distraite    少し放心した群集が歌う
 En ignorant le nom de l'auteur    作者の名も知らないで
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 Un jour, peut-être, bien après moi    或る日、多分私のずっと後で
 Un jour on chantera    或る日、人々は歌うだろう
 Cet air pour bercer un chagrin    悲しみを和らげんとこの歌を
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 Leur âme légère et leurs chansons    彼らの軽い魂と彼らの歌は、
 Qui rendent gais, qui rendent tristes    陽気な或いは沈んでいる
 Filles et garçons    女の子と男の子を、
 Bourgeois, artistes    都市民を、芸術家を、
 Ou vagabonds    また放浪人をも連れてゆくのだ

  bourgeois は、この場合にはbourg の住人 (都市民) と考えるほうが良さそうです。prolétaire に敵対するものと考えるべきではないでしょう。下の歌名をクリックするとYou Tubeへ跳んで歌が始まります。
   2005/04   2014/12

  やはり、人の育成にお金をかけることが大切でしょう。また、名目上の数値にではなく、この歌に登場するような庶民の実生活に重点を置く政策が重要でしょう。
  今のような状況では、人々の口から歌 (chanson) など出てきません。出るのは溜息 (soupir) だけです。
   2014/12

  L’âme des poêtes

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