三角形の比に関する定理のうちの、高校の数学で学習する「メネラウスの定理」(Menelaus' theorem)と、「チェバの定理」(Ceva's theorem)について、以下に内容をまとめておく。
この定理について解説している諸々の参考書の説明には、分りにくいものが多い。よって、ここに分りやすい理解の仕方を示すことにする。
メネラウスの定理
図1のような三角形ABCにおいて、いずれの頂点をも通らない一本の直線を引く。このとき、その直線が三角形の3辺もしくはその延長線のいずれとも交わるようにし、その直線と線分BCもしくはその延長線との交点をP、CAもしくはその延長線との交点をQ、ABもしくはその延長線との交点をRとする。(図2)
このとき、下図3のように
例題1において、ARの長さを求めてみよう。
チェバの定理
図1のような三角形ABCにおいて、それぞれの頂点から、対辺もしくはその延長線上にそれぞれ一本の直線を引く。このとき、その3直線が一点で交わるようにし、点Aを通る直線と線分BC(もしくはその延長線)との交点をP、 点Bを通る直線と線分CA(もしくはその延長線)との交点をQ、点Cを通る直線と線分AB(もしくはその延長線)との交点をRとする。(図4)
このときも、下図5のように
下図6の場合にも、この関係は成り立つ。
例題2において、ARの長さを求めてみよう。
通常の形では、どちらの定理もくるり一回転させるのがコツです。