文章の意味を理解するには

  学業不振の原因は様々ですが、学習の基本である文章読解に問題のあるケースが目立ちます。これは状態によっては短期間に改善する場合もありますが、相当長期間の努力を必要とするケースもあります。しかも、この基礎学力の不足は、学習効果への大きなマイナス要因となります。勉強しても点が取れない、ということになるのです。
  しかしながら、この問題を回避しては学力の向上は望めません。更に深刻なのは、学年が進めば進む程に、この問題の解決が難しくなる場合があることです。でも、諦めてはいけません。最初は多大な努力を必要とするかも知れませんが、効果が出始める頃には苦労を感じなくなっているかも知れません。

  春日学習室では、「音読」という方法を取り入れています。文章の内容をよりよく理解させるためです。この方法を使ってみて分ったことですが、設問の意味を理解せずに解答を記入している塾生もいるのです。しかも、これは意外に大きな問題なのです。単に注意が足りないというレベルの問題ではないのです。文章を理解しようとする努力を怠っているから、そのようなことになるのです。
  このような問題を解決するために、文章(国語の文章題など)を音読させながら、指導者側から質問を投げかける指導を行っています。そして、塾生個別に改善のための対策を行っています。

「__部のように言えるのは、どうしてですか。」という設問に答えられない生徒がいたとすると、その原因はいくつか考えられます。そして、それぞれの場合に応じた改善策が存在します。

  つまずき@
  問題を(本文も)よく読まずに解答を書いている。
  ――対策――
  音読させてみてしっかり読めれば、その意味内容についてしっかり理解させる。
 「どうしてか」という質問にはどのように答えるべきか、__部の前後にはどんなことが書いてあるのか、と質問を投げかける。
  読むのが面倒だという気持ちがある場合も多いので、その兆候を見逃さずに指導する。


  つまずきA
  本文の内容を理解できていない。
  ――対策――
  問題集を活用して、文章や段落の構造とそこに書かれた内容を理解させる練習を繰り返させる。自ら論述する練習も行わせる。


  つまずきB
  読む力が不足している。音読させてもすらすら読めない。漢字が読めない。
  ――対策――
  教科書を何度も読ませる。漢字の勉強や辞書引きもさせる。学校の授業にも集中できるように、学習の習慣を確立させる。
  他人よりも努力が必要なことを納得させて、即座に努力を開始させる。

  問題を(本文も)よく読まずに解答を書く傾向は、標準以上に学力のある塾生にも見られます。しかし、面倒だという気持ちは、学力低下への第一歩です。塾通いも、そこへ行って受動的に聞いているだけなら無意味です。


  ※ご参考までに

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