Storie di tutti i giorni
今回はイタリアのカンツォーネより、リッカード・フォグリ(Riccardo Fogli)の歌ったStorie di tutti i giorniを取り上げてみます。
カンツォーネ(canzone)は、フランス語のシャンソン(chanson)と同様に歌を表す語です。イタリアでは毎年、サン・レモ(San Remoという地中海沿いのフランスとの国境に近い都市で音楽祭が行われています。今回ご紹介するこの曲は、サンレモ音楽祭の1982年の優勝曲です。
この曲には1970年代のイタリアの社会を反映しているような、出口の見えない退廃的な感情が歌われています。
しかし、これはイタリアだけに見られた現象ではありません。ニートに見られるような今日の日本の若者の退廃した生活ぶりも、社会に希望が持てないことに大きな原因があるはずです。実際、日本ではこの10年、多くの企業がリストラや新規採用の中止を行い、自己破産者の数はうなぎ登りに上昇したのですから。(P.S. ──いや、日本には失われた20年という表現もあります。)
Storie di tutti i giorni,
毎日の物語、
vecchi discorsi sempre da fare,
いつも語られる古い話、
……………
storie di noi brava gente
苦労してつまらぬ人に恋をする
che fa fatica, s'innamora con niente,
私たち立派な人々の物語、
vita di sempre, ma in mente grandi idee.
それでも心の中で大いなる空想をする生活。
……………
un orologio fermo da un'eternità
ずっと前から競争し、いつも競争の中にいる
per tutti quelli così
come noi
私たちのような全ての人にとって
da sempre in corsa, sempre a metà;
永遠に動かない時計。
un giorno in più che passa, ormai,
今では、私が望むようには素晴らしくない
con questo amore che non è grande come vorrei.
恋愛といっしょに、さらに過ぎ行く一日。
YouTubeに音楽祭優勝のときの映像と思われる動画を発見しました。中々格好良いです。ロック好きの方にも一見の価値ありです!
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2007/07 2014/09